シンシアの臨死体験
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体験の内容:

私が体験したことは、よくある臨死体験のものとは違っています。自分の回りには美しい光だけがあったのです。この体験は、今まで聞いたり、読んだりしたものとも違うものでした。

私は護身用に自宅で所持していた22口径のピストルから弾丸をちょうど抜くところでした。当時、3人の娘の1人が付き合っていたボーイフレンドから家族が脅迫されていたため、万が一に備えて銃に弾をこめていたのでした。夫はトラック運転手で、めったに家にいることはありませんでした。弾をこめてから何ヶ月も経っていたので、私もすっかりそのことを忘れてしまっていました。ある晩洗濯物を畳みながら、銃の挿弾子がそのままなのに気が付き、「安全対策」として弾を抜こうと考えました。挿弾子がなかなか外れないので、自分の左肩にのせ銃を上に向けました。それでも挿弾子を取り出すことができなかったので、薬室から弾丸を取り出すことにしました。1発目は取り出せたものの、2発目は斜めになって引っ掛かっていたので、指で押して真っ直ぐにして取り出すことにしました。指が銃に挟まれ指を引っ張り出そうとした瞬間、暴発した弾が胸の上部左側を貫通し、上腕動脈と腕神経叢神経をひどく損傷しました。出血はひどく、腕は自分の体の一部ではないかのようにばたばたと揺れていました。その時、私には自分の命が危ないことが分かりいました。何度も“イエス様”と口にしたのも、パニックというよりは、助けを求めたからでした。体が冷たくなっていき、低体温症に陥りましたが、突然私の体は赤ん坊のように抱きかかえられ、イエス様と思しき人物に元気付けられたのでした。自分の体は明らかに冷たくなり、震えていたにもかかわらず、温かみを感じたのでした。その時の私はすべての様子を見ていましたが、部屋の上の方から目にしているように感じました。警察官や救急隊員に質問されたり、娘たちが泣き叫んでいる事故の場面や、当時まだ1歳にもなっていない孫娘を見ていたことを覚えています。その時の気分は、心のなかだけでなく、魂の奥底から平穏を感じていました。

それ以来というもの、自分では変えることのできない出来事をあるがままに受け止めたり、それまでは我慢できないようなことでも我慢できるようになっていました。不思議なのは、27年共に暮らした夫や、3人の娘たち、私にとってかけがえのない存在だった家族のような人たちに対して、私の人生の支えであるとは感じなくなったことです。今の私は自分のために生きているのです。もちろん今でもみんなを愛していますが、彼らと衝突したくはありません。今までのように他人を優先した生き方は辞めました。45歳にして、私は学校に戻りました。これから何ができるかははっきりしていませんが、自分の使命である人助けをしたいと思っています。あと15単位で準学士になれ、その後はペンシルバニア大学に入学する予定です。

これからの人生がどうなるかは不透明です。ですが、それはまるで進むべき見えない道があるようなもので、迷いはありません。夫や家族は私が自宅で3人の孫の面倒を見るべきだと思っています。でも、私は勉強したいのです。今の私は、他の誰も理解してくれない、言葉にすることさえもできないような心の平穏を感じています。私の感じた圧倒的な心の安らぎを言葉で説明するのは無理です。何もかもが私の邪魔をしているように思えることもありますが、私には前身あるのみです。私の体験に関する皆さんのお考えを教えてもらえれば光栄です。56ユニットもの血液を失い、上腕動脈をゴアテックス製のものに交換し、たくさんの輸血をしたことを聞かされましたが、その輸血で心穏やかな魂を授ることもありえるでしょうか?もちろん自分でも非現実的で少し変わっていることは承知していますが、事故が起きたとき、生まれたばかりの赤ん坊が母親に慰められ心と体中に今まで感じたことのない温かみが芽生えたように感じたのでした。このことに、自分でも戸惑いながらも、同時に嬉しく思っています。ここまでお読みくださり、感謝すると共に、なにかご感想を聞かせていただけると光栄です。医者に私の命が紙一重で助かったことを告げられましたが、今でも神にそのことに毎日感謝しています。

今は匿名で投稿していますが、自分の体験をちゃんと消化できるまで、名前は公表しないつもりです。そのことをご理解いただけるものと信じています。あの時の事故は1995年に起き、すでに4年近くも経っていますが、今でも昨日のことのように感じられます。今ではどんな事にも落ち着いて対処できるようになりました。たくさん笑って、みんなを喜ばせたいです。子供が遊んだり、花が咲くのを見たり、朝日が昇り、夕日が沈むのを見るのが好きです。今は色だけでなく、たくさんの物が以前よりも鮮やかで、すべてが意義を持ち、大切な存在であるように感じられます。それに、他人の気持ちをより理解でき、時には人の心の痛みが分かるような気もします。でも、私はこの自分でも良く分からない新しい運命の道を歩み始めたただの幼子なのです。日々が過ぎ去るたび、もっと成し遂げることできたのではないかといった喪失感さえ感じることもあります。これから何が起こるかは分かりませんが、楽しみに人生を過ごしたいと思います。

概要:

性別:    女性